【教員の人事評価制度と記入例】自分の業績をアピールするコツも紹介

教員として働く皆さんは、定期的に人事評価を受けていますか?

人事評価とは、教育現場で働く教員の業績や能力を客観的に評価し、給与や昇進などの待遇やキャリア形成に反映させるための制度です。

しかし、教員の人事評価制度は、学校や教育委員会によって異なる場合がありますし、自分がどういう基準で評価されているか分からない場合もあります。

また、自分で自己評価を記入することが求められる場合もありますが、自分の業績や能力をどうアピールすればいいか悩むこともあるでしょう。

そこで、この記事では、教員の人事評価制度と記入例について解説します。

教員の人事評価制度の種類や特徴、メリットやデメリットを理解し、自分の人事評価を効果的に記入する方法を学びましょう。

〈プロフィール〉

・小学校教員、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。

・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。

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目次

教員の人事評価制度とは

教員の人事評価制度は、大きく分けて以下の3種類があります。

定量的な指標に基づく客観的な人事評価制度

教育成果や学力向上などの数値化できる指標に基づいて、教員の業績や能力を客観的に評価する制度です。

評価基準が明確で公平であることや、教員のモチベーションや能力向上につながる

指標が偏っていたり、教育の質や多様性を損なったりすることや、教員間の競争や不信感を生む

教育活動や研修などの質的な内容に基づく主観的な人事評価制度

教育活動や研修などの質的な内容に基づいて、教員の業績や能力を主観的に評価する制度です。

教育の質や多様性を重視することや、教員の個性や特徴を尊重できる

評価基準が曖昧で不公平であることや、教員のモチベーションや能力向上につながりにくい

自己評価と他者評価を組み合わせた総合的な人事評価制度

自己評価と他者評価(上司や同僚や生徒など)を組み合わせて、教員の業績や能力を総合的に評価する制度です。

自己評価と他者評価のバランスを取ることで、客観性と主観性を両立させることや、教員の自己理解や自己改善につながる

自己評価と他者評価の調整が難しいことや、評価者の偏見や圧力に影響されやすい

教員の人事評価を記入するポイント

評価基準や期間を確認する


人事評価を記入する前に、自分がどういう基準や期間で評価されているかを確認しましょう。

定量的な指標や質的な内容が何か、自己評価と他者評価の割合は何かなどを把握しておきましょう。

実績や成果を具体的に記述する


人事評価においては、自分の実績や成果を具体的に記述することが重要です。

数値化できるものは数値化しましょう。

例えば、「学力テストで平均点が5点上昇した」「生徒の出席率が90%以上になった」「学級経営に関する研修会で発表した」などです。

また、実績や成果だけでなく、その背景や過程も説明しましょう。

例えば、

「学力テストで平均点が5点上昇したのは、授業前に予習シートを配布し、授業中にフィードバックを行ったからだ」

「生徒の出席率が90%以上になったのは、欠席した生徒に対して電話やメールでフォローアップを行ったからだ」

「学級経営に関する研修会で発表したのは、自分の学級で実践したアクティブラーニングの方法や効果を共有したからだ」

などです。

強みや改善点を自己分析する


人事評価においては、自分の強みや改善点を自己分析することも重要です。

自分の強みは、自信を持ってアピールしましょう。

例えば、

「教育理念や目標に基づいて授業を計画・実施することが得意だ」「生徒とのコミュニケーションや信頼関係を築くことが得意だ」

「教育現場の課題やニーズに応えるために積極的に研修や勉強会に参加することが得意だ」

などです。

また、自分の改善点は誠実に認めて、改善策や目標を示しましょう。

例えば、

「教育技術やICTの活用についてもっと学びたいと思っている」

「生徒の個性や多様性に対応するためにもっと柔軟な指導法を身につけたいと思っている」

「教員間の連携や協力をもっと深めたいと思っている」

などです。

教員の人事評価の記入例

教員の人事評価の記入例を以下に示します。

この例は、自己評価と他者評価を組み合わせた総合的な人事評価制度の場合です。

自己評価は、以下の5項目について5段階で評価します。

  • 教育活動
  • 研修・研究活動
  • 学校運営・貢献活動
  • 人間関係・コミュニケーション
  • 自己啓発・キャリア形成


他者評価は、上司や同僚や生徒などからフィードバックを受けます。

以下は、ある中学校の英語教師の場合です。

教育活動の自己評価の記入例

授業では、生徒の興味や関心に応じて様々な教材や教法を用いて、英語力の向上を図っています。

例えば、英語でニュースやドラマを観たり、英語でブログやSNSを書いたり、英語でディベートやプレゼンテーションを行ったりしています。

また、生徒の学習進度や理解度に合わせて、個別指導や補習も行っています

学力テストでは、平均点が5点上昇しました。

生徒からは、「英語が楽しくなった」「英語で話したり書いたりすることに自信がついた」という声が多く聞かれます。

上司や同僚からは、「授業が工夫されていて生徒が積極的に参加している」「生徒の学習状況やニーズに応じて柔軟に対応している」という評価をいただきました。

研修・研究活動の自己評価記入例

研修研究活動にも積極的参加しています。

例えば、教育技術ICTの活用に関する研修会に参加し、自分の授業に取り入れています。

また、学級経営に関する研修会で、自分の学級で実践したアクティブラーニングの方法や効果を発表しました

さらに、英語教育に関する学会や勉強会にも参加し、最新の知識や情報を得ています。

研修や研究活動から得た成果は、自分の授業だけでなく、他の教員や生徒とも共有しています。

研修や研究活動の主催者や参加者からは、「教育技術やICTの活用に精通している」「アクティブラーニングの発表が示唆に富んでいた」「英語教育に関する知識や情報が豊富である」という評価をいただきました。

学校運営・貢献活動の自己評価記入例

学校運営や貢献活動にも参加しています。

例えば、英語科の教科担当として、教科会や学年会などの会議に出席し、教育計画やカリキュラムの策定や改善に協力しています。

また、学校行事や部活動などの補助や指導、地域や保護者との連携や交流も行っています。

例えば、地域の英語サークルに参加したり、保護者向けの英語講座を開催したりしています。

学校運営や貢献活動に関しては、上司や同僚や生徒や地域や保護者から「英語科の教育内容や方針が明確である」「学校行事や部活動などに積極的に関わっている」「地域や保護者との連携や交流が活発である」という評価をいただきました。

しかし、自分自身としては、もっと学校運営や貢献活動に主体的に参加したいと思っています。

例えば、学校全体の教育目標や方針についてもっと発言したり、他の教科との連携や協力をもっと深めたりしたいと思っています。

人間関係・コミュニケーションの自己評価記入例

人間関係やコミュニケーションにも気を配っています。

例えば、生徒とは信頼関係を築くために、授業だけでなく、放課後や休み時間などにも話しかけたり、相談に乗ったりしています

また、上司や同僚とは尊重関係を築くために、意見交換や情報共有を積極的に行っています

さらに、地域や保護者とは協力関係を築くために、定期的に連絡を取ったり、相互理解を深めたりしています。

人間関係やコミュニケーションに関しては、生徒や上司や同僚や地域や保護者から「生徒との信頼関係が強い」「上司や同僚との尊重関係が高い」「地域や保護者との協力関係が良好である」という評価をいただきました。

自己啓発・キャリア形成の自己評価記入例

自己啓発やキャリア形成にも努めています。

例えば、英語教育の専門性を高めるために、英語検定試験やTOEICなどの資格取得を目指して勉強しています。

また、教育技術やICTの活用能力を高めるために、オンラインコースなどの自己学習を行っています。

さらに、教育管理能力を高めるために、教頭補佐などの役職への挑戦も考えています。

自己啓発やキャリア形成に関しては、「英語教育の専門性が高い」「教育技術やICTの活用能力が高い」「教育管理能力にも興味がある」という評価をいただきました。

しかし、自分自身としては、もっと自己啓発やキャリア形成に積極的に取り組みたいと思っています。

例えば、英語教育の専門性だけでなく、他の教科や分野にも関心を持って学びたいと思っています。

また、教育技術やICTの活用能力だけでなく、教育研究や発表の能力も向上させたいと思っています。

そして、教育管理能力だけでなく、教育リーダーシップやビジョンの能力も磨きたいと思っています。

まとめ

以上が、教員の人事評価制度と記入例についての解説でした。

教員の人事評価制度は、教員の業績や能力を客観的に評価し、給与や昇進などの待遇やキャリア形成に反映させるための制度です。

教員の人事評価制度には、定量的な指標に基づく客観的な人事評価制度、教育活動や研修などの質的な内容に基づく主観的な人事評価制度、自己評価と他者評価を組み合わせた総合的な人事評価制度があります。

それぞれにメリットやデメリットがありますので、自分がどういう基準で評価されているかを確認しましょう。

また、人事評価を記入する際には、実績や成果を具体的に記述し、強みや改善点を自己分析しましょう。

人事評価は、自分の業績や能力をアピールするだけでなく、自分の自己理解や自己改善にもつながります。

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