小学生向けにわかりやすく「水と油の不思議な関係」を解説【自学に最適】

水と油はどうして混ざらないのでしょうか?

サラダにドレッシングをかけるときや、油で汚れた食器を洗うときなど、水と油の関係について気になったことはありませんか?

水と油は、それぞれが持つ分子の性質が違うために混ざりにくいのです。

しかし、水と油を混ぜることは不可能ではありません。

あるものを加えると、水と油が一体になることができます。

この記事では、水と油の不思議な関係を簡単に説明します。

〈プロフィール〉

・小学校教員、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。

・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。

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目次

結論

水と油は分子間力が違う

分子間力とは

物質は、原子分子と呼ばれる小さな粒子からできています。

分子は、原子がくっついてできたもので、物質の種類によって分子の形や数が違います。

分子同士は、お互いに引っ張り合ったり押し合ったりする力が働いています。

この力を分子間力と呼びます。

水の分子間力は強い

水の分子は、酸素原子1個水素原子2個がくっついてできています。

このとき、酸素原子は電気を引き寄せる力が強く、水素原子は電気を引き寄せる力が弱いため、電気の分布が不均等になります。

このように、分子内で電気の分布が不均等になることを分極と呼びます。

分極した水の分子は、お互いに正負の電気で引き合います。

この引き合う力を水素結合と呼びます。

水素結合は、分子間力の中でも強い方です。

油の分子間力は弱い

油の分子は、炭素原子水素原子が長く連なってできています。

このような形を炭化水素と呼びます。

炭化水素の分子は、炭素原子と水素原子の電気を引き寄せる力がほぼ同じであるため、電気の分布が均等になります。

このように、分子内で電気の分布が均等になることを非極性と呼びます。

非極性の炭化水素の分子は、お互いに正負の電気で引き合わないため、分子間力は弱くなります。

この弱い引き合う力をファンデルワールス力と呼びます。

水と油は混ざらない

水と油は相性が悪い

水と油は相性が悪くて混ざりにくいのです。

それは、水と油の分子間力が違うからです。

水の分子間力は強い水素結合で、油の分子間力は弱いファンデルワールス力です。

水の分子は、同じ水の分子と強く引き合っていますが、油の分子とはほとんど引き合いません。

油の分子も、同じ油の分子と弱く引き合っていますが、水の分子とはほとんど引き合いません。

このように、水と油はお互いに仲良くなれないのです。

水と油は密度が違う

水と油は密度が違います。

密度とは、単位体積あたりの質量のことで、物質の重さや軽さを表します。

水の密度は1グラム/ミリリットルで、油の密度は0.8グラム/ミリリットルほどです。

つまり、同じ量の水と油では、水の方が重くて油の方が軽いということです。

重いものは下に沈みやすく、軽いものは上に浮きやすいため、水と油を入れた容器を静かにしておくと、水が下に沈んで油が上に浮きます。

水と油を混ぜる方法

では、水と油を混ぜる方法はないのでしょうか?

実は、あるものを加えると、水と油を混ぜることができます。

その「あるもの」とは界面活性剤です。

界面活性剤とは、水と油の両方に親しみやすい性質を持つ物質です。

界面活性剤の分子は、一方が水に親しみやすくて非極性である親油基と呼ばれる部分と、もう一方が油に親しみやすくて極性である親水基と呼ばれる部分からできています。

界面活性剤を加えると、親油基が油に結びつき、親水基が水に結びつきます。

このようにして、界面活性剤が水と油をつなぎます。

これを乳化と呼びます。

乳化した液体は白っぽく濁ります。

まとめ

この記事では、水と油の不思議な関係を簡単に説明しました。

水と油は、それぞれが持つ分子の性質が違うために混ざりにくいのです。

しかし、界面活性剤を加えることで、水と油を混ぜることができます。

界面活性剤は、水に親しみやすい部分と油に親しみやすい部分を持ち、水と油をつなぎます。

このようにして乳化した液体は白っぽく濁ります。

水と油を使って、色々な実験をしてみましょう!

実験することで、水と油の関係がよりわかってくると思います。

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