相次ぐ教員の不祥事。
定期的に教員のわいせつ事件や体罰が話題に上がります。
ニュースを聞いていると思わず
やっぱり教師にはおかしい人が多いのかな…。
と思ってしまいます。
しかし、実際に教員だった自分からすると
一生懸命な教員がほとんどだし、教員が特別に不祥事が多いわけではない気がする…。
というのが正直な感想でした。
そこで今回は、令和2年度の警察庁の犯罪件数のデータを元に、教員には頭がおかしい人が本当に多いのかを調べていきます。
〈プロフィール〉
・小学校教員、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。
結論
職業別に見ると、教員の不祥事の数は特別多いわけではありません。
職業順に見ると、最も犯罪の多い職業は事務員、2番目が土木・建設業・自営業、3番目が飲食店店員、4番目が販売店員、5番目が運輸従事者でした。(主婦や大学生、中学生は除く)
教員はというと26番目です。
その前後には不動産自営や美容師や理容師の職業が並んでいます。
詳しくはこちらの画像をご覧ください。(タップ推奨です)
犯罪件数では、事務員や土木関係者よりずっと少ないです。
しかし、ニュースでは
- 教員の不祥事数は特に多いこと
- 教員には不祥事を起こしやすい人が多くいること
- 教員は激務のため、ストレスから不祥事を引き起こしやすいこと
など誇張された事実が報道されています。
件数で見るとそこまで多くはない教員の不祥事ですが、なぜ教員の不祥事は多く発生しているように感じるのでしょうか。
教員の不祥事が多い気がする理由
教員の不祥事が多い気がする理由は大きくこの3つに整理できると考えています。
- 教員に対する世間の目が厳しいため
- マスコミが一部の教員の不祥事を大きく報道しているため
- 教員の不祥事がエンタメ化されているため
この3つは、独立している理由ではありません。
教員に対する世間の目が厳しいからこそ不祥事が大きく報道されたり、エンタメ化されているのが現状です。
以下、順に解説していきます。
教員に対する世間の目が厳しい
教職は以前は聖職とも呼ばれていた職業です。
裏を返せば、それほど教員への期待値が高かったのです。
期待値が高い分、世間の目も厳しくなります。
マスコミが一部の教員の不祥事を大きく報道している
聖職とも呼ばれる教員の不祥事は、社会のサンドバック的役割を担い、エンタメ化されることもしばしばあります。
また、教員という職業は身近に感じやすいです。
「うちの子の先生は大丈夫かしら」と世間の関心も集めやすいニュースになります。
世間の関心が集まるネタだからこそ、連日報道されます。
教員の不祥事がエンタメ化されているため
教師の不祥事はネタにされやすいです。
その裏には「先生でもこんなことするんだ」と思ってしまう世間の心理があるのかもしれません。
もちろん行為としてはどれも悪いことです。
教員として絶対にしてはいけないような不祥事を起こしている人がいるのも事実です。
しかし、教員が起こしたからこそここまで大々的に報道されたんだろうな、という事件も多いように感じています。
少なくとも他の職種と比べて、不祥事を起こした時に教員は立場を大々的に報道される傾向があるのは事実です。
「コロナ休暇不正取得」や「大麻所持」はどちらも行為としては最低です。
不祥事を肯定するつもりはありません。
しかし、【教員が】起こした不祥事だからこそ大々的に報道されたんだろうな感は正直拭えませんでした。
割合で見る教員の不祥事の件数
182,582(交通業過を除く)の犯罪件数のうち、教員が起こした犯罪件数は535。
全体の0.29パーセントです。
1000人の犯罪者のうち、2~3人が教員です。
この数値を見て、多いと思うか少ないと思うかは各自の判断基準によりますが
「教員には頭おかしい人が多い」というに値する数値ではありません。
また、535ある教員の犯罪件数の内訳も以下のようになっています。(タップ推奨)
教員の不祥事で有名な事案
神戸カレー事件
カレー漂白剤事件
元校長によるわいせつ事件
まとめ
教育者の立場として、不祥事はあってはいけないことです。
どんな理由があっても許されることではありません。
しかし、教員の犯罪件数が特別多いわけではないのに、教員の不祥事だけ特別大きく報道されてしまうこともあるのもまた事実です。
教員の不祥事についてはTwitterでたくさんの投稿が見られます。
よりリアルな世間の声が知りたい方は、ぜひそちらもご覧ください。
コメント