竜巻という言葉を聞いたことがありますか?
竜巻とは、空から伸びる柱のような雲が地面に触れて、すごく強い風を巻き起こす現象です。
台風や低気圧、前線などの天気の変化に伴って発生することが多く、日本では夏や冬によく見られます。
また、車や家を飛ばしたり壊したりするほどの大きな力を持っています。
そんな竜巻はどうしてできるのでしょうか?
この記事では、竜巻の発生のしくみを簡単に説明します。
〈プロフィール〉
・小学校教員、家庭教師、塾、学童など様々な学校現場を経験。
・現在はその経験を活かして教育記事を執筆中。

竜巻と積乱雲の関係
積乱雲とは

空に浮かんでいる雲にはいろいろな種類がありますが、その中でも特に大きくて高い雲を積乱雲と呼びます。
積乱雲は、地面から上空まで約10キロメートルもの高さがあり、まるで山のような形をしています。
また、暑い日に太陽の熱で温められた空気が急速に上昇することでできます。
積乱雲の中では空気が回転する

積乱雲の中では、上昇する空気と下降する空気が入り混じっています。
このとき、地球の自転や風の向きの違いなどの影響で、空気に回転の力が加わることがあります。
この回転の力は、フィギュアスケートの選手が回転するときに手足を縮めると速く回るように、空気が上下に伸びると速く回るようになります。
積乱雲から竜巻が発生する仕組み

積乱雲から竜巻が発生する仕組みは、まだ完全には解明されていませんが、一つの考え方として以下のようなものがあります。
- 積乱雲の下部にある回転する空気は、横方向に広がっている。
- 積乱雲の上部にある回転する空気は、縦方向に細くなっている。
- 積乱雲の下部から上部へ向かう強い上昇気流が、横方向に広がった回転する空気を縦方向に引き伸ばす。
- このとき、回転する空気は縮まって速く回り始める。
- この速く回る空気が地面に触れると、竜巻が発生する。
竜巻はどこで発生するのか
竜巻は日本全国で発生する

竜巻は、日本全国で発生することがあります。
平均すると、日本では1年間に25個ほどの竜巻が確認されています。
しかし、実際にはもっと多くの竜巻が発生している可能性があります。
なぜなら、竜巻は短時間で消えてしまったり、人目につかない場所で発生したりすることがあるからです。
竜巻は夏や冬に多く発生する

竜巻は、積乱雲が発達しやすい夏に特に多く発生します。
夏の竜巻は、台風や低気圧、前線などの天気の変化に伴って発生することが多く、特に台風の進行方向右側で発生しやすいです。
一方、冬の竜巻は、日本海側で多く見られます。
冬の竜巻は、寒気と暖気がぶつかることで発達する積乱雲によって発生します。
竜巻は都心より郊外で発生しやすい

竜巻は、都心より郊外で発生しやすいと言われています。
これは、都心では建物や道路などが多くて空気の流れが乱れるため、積乱雲が発達しにくいという理由があります。
一方、郊外では空気の流れがスムーズで積乱雲が発達しやすいです。
また、郊外では地形や植生などの違いによって空気の温度や湿度が変化しやすく、回転する空気を作り出す条件が整いやすいです。
竜巻から身を守る方法
早めに避難する

竜巻から身を守るためには、早めに避難することが大切です。
竜巻は突然発生したり移動したりすることがあるので、近づいてきたらもう逃げる時間がないかもしれません。
竜巻が発生するおそれを感じたら、すぐに頑丈な建物の中に入りましょう。
建物の中では、窓や外壁から離れた場所に移動しましょう。
情報をチェックする

竜巻から身を守るためには、情報をチェックすることも大切です。
気象庁では、竜巻などの突風に関する気象情報として「竜巻注意情報」や「竜巻発生確度ナウキャスト」を発表・提供しています。
これらの情報は気象庁のホームページやスマートフォンアプリなどで確認することができます。
提供されている情報は、竜巻が発生する可能性や地域を知るのに役立ちます。
また、テレビやラジオなどの報道機関も、竜巻に関する情報を伝えてくれることがあります。
これらの情報源を利用して、竜巻の発生状況や予測を常に把握しておきましょう。
まとめ

この記事では、竜巻の発生のしくみと、竜巻から身を守る方法について説明しました。
竜巻は、積乱雲の中で空気が回転することで発生する激しい突風で、夏や冬に日本全国で発生することがあります。
また、突然発生したり移動したりすることがあるので、予測が困難な気象現象です。
竜巻から身を守るためには、気象庁や報道機関が発表する竜巻注意情報などの情報をチェックし、積乱雲が近づいてきたらすぐに頑丈な建物に避難することが大切です。
竜巻は非常に危険な現象ですが、正しい知識と対策を持っていれば、被害を防ぐことができます。
大切な命を守るためにも、これからも竜巻について学んでいきましょう。
コメント